猫の止まらない吐き気には注意しよう!病院に診せるべき嘔吐とは?

猫の止まらない吐き気には注意しよう!病院に診せるべき嘔吐とは?

猫は非常に嘔吐しやすい動物ですが、嘔吐の種類によっては怖い病気である可能性があります。

しかし、どんな症状であれば病気なのか判断できないという方も少なくありません。今回は猫の嘔吐の原因や猫の嘔吐で疑うべき病気について解説していきますので、気になる方はぜひ参考にしてください。

 

猫は嘔吐しやすい動物

猫は非常によく吐く動物で、何の前触れもなくいきなり苦しそうに吐くことも多々あります。しかし、吐いてしまった後は、再び元気に活動することがほとんどです。

一方吐き気が慢性化し、いつも吐いてしまうようになった場合には、何らかの病気の疑いがあります。吐しゃ物に血が混ざることも多く、明らかに衰弱している場合は動物病院に診せる必要があります。

 

なぜ猫はよく嘔吐するの?

猫の嘔吐には、主に以下のような理由があります。

猫は食べ物を丸呑みにしているから

猫は元々、小鳥やネズミなどの小動物を狩り、食べ物を獲得してきた動物です。その名残もあり、食べ物を丸呑みに近い状態で食べる習性があります。そのため、胃袋に入りきらない食べ物を食べてしまった場合、吐き出すことがあるのです。

また、人間には食べ物をすりつぶす役割を果たす臼歯がありますが、猫にはこの臼歯がありません。食べ物を切り裂く役割を持つ裂肉歯しかないため、咀嚼することができないのです。

毛玉が溜まるから

猫は1日3〜6時間ほどを毛づくろいに費やしているといわれています。猫の舌にはザラザラとした「糸状乳頭(しじょうにゅうとう)」という無数の突起があります。猫の糸状乳頭は尖っており、カーブを描きながら口の奥の方に向かっているため、毛づくろいをするとたくさんの被毛が引っかかってしまうのです。

そのため、猫はたくさんの被毛を飲み込んでしまい、便と一緒に排泄できない分が胃に溜まっていくようになります。毛玉が胃にあると、猫はその不快感から嘔吐するのです。

食道の通過時間が長いから

猫や犬などの四足歩行動物の食道は、常に地面と平行になっています。そのため食道の筋肉を動かして嚥下し、食べ物を胃の方へと動かさなければなりません。

犬は食道全体についた横紋筋という筋肉を意図的に動かすことができるのですが、猫は食道の後ろの方についた意図的に動かせない平滑筋という筋肉で食べ物を運ぶことになります。

これによって、猫は長い時間をかけて食べ物を消化させる動物ということがわかります。キャットフードをそのままの形で吐いてしまう猫がいるのは、食道で食べ物が渋滞してしまいがちだからなのです。

空腹で吐くことも

猫は空腹の時間が長いと胃液が溜まり、これを吐き出すことがあります。その場合は食べ物が含まれない、黄色い液体を嘔吐します。

 

病院に行くべき猫の嘔吐

病院に行くべき猫の嘔吐には、主に以下のようなものがあります。

1日4回以上の嘔吐

1日に1、2回嘔吐して、その後は元気で食欲もあり、普段と変わらない様子ならとくに心配する必要はありません。

しかし、短時間に何度も吐くような場合には注意しましょう。1日に4回以上も嘔吐すると脱水症状にも陥るため、早めの対処が必要です。

3日から4日以上続いている嘔吐

連続して3、4日以上続く嘔吐であれば、慢性的な病気が疑われます。さらに体が脱水状態にもなっているため、危険な状態に陥る可能性があります。

吐いたものに血が混ざっている

吐いたものに血が混ざっている場合は胃や腸、口内や気管で出血しているかもしれません。

とくに注意しなければならないのがチョコレート色の出血で、この場合は大量に出血している可能性があります。吐しゃ物を持参して、獣医師に相談するようにしましょう。

痩せてきている

吐いた後にぐったりし、体重が落ちてきているような場合にも注意が必要です。猫の健康管理のためにも、普段から通常時の体重を量っておくようにしましょう。

嘔吐と下痢を繰り返す

嘔吐と共に下痢を繰り返すようであれば、急性中毒を起こす食べ物を食べてしまった可能性があります。

嘔吐と下痢を併発している場合は、脱水症状も悪化するためさらに注意が必要です。

 

猫の嘔吐で疑うべき病気

猫の嘔吐で疑うべき病気には以下のようなものがあります。

猫パルポウイルス感染症

猫汎(はん)白血球減少症、猫伝染性腸炎とも呼ばれる猫パルポウイルス感染症にかかると、嘔吐や下痢などの消化器症状が起こります。

嘔吐が始まって5日目くらいに亡くなることも多いほど、非常に死亡率の高い感染症です。

腸閉塞

腸が異物で完全に塞がれている「機械的閉塞」、または腸管が正常に働かなくことによる「機能的閉塞」の状態になると、排泄されるべき毒素が体内に溜まり、嘔吐を引き起こすことがあります。

腎機能不全

急性もしくは慢性の腎臓病などにより、体外に排出されなかった毒素が原因で嘔吐することもあります。

膵炎

膵炎は何らかの原因で膵臓が炎症を起こしてしまう病気で、激しい嘔吐や腹痛、下痢などの症状を引き起こします。

 

まとめ

今回は、猫の嘔吐の原因や猫の嘔吐で疑うべき病気について解説しました。猫は元々吐きやすい動物ですが、場合によっては危険な病気になっている可能性もあります。長期にわたって異常が見られるときは、信頼できる動物病院に相談してみましょう。

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