区分 | 期間 | 体の変化 | ケアのポイント |
---|---|---|---|
幼年期 | 誕生~3週目 (授乳期) |
・目が開く ・歩き始める ・乳歯が生え始める |
|
4週目~10週目 (離乳期) |
生後2か月を過ぎたら ワクチン接種1回目 |
★狂犬病ワクチン接種 生後91日以上のワンちゃんは、お住まいの市町村への登録、及び年1回の「狂犬病予防接種」が法律により義務付けられています。 |
|
3ヶ月~10ヶ月 (成長期) |
生後3か月を過ぎたら ワクチン接種2回目 |
★避妊、去勢手術の実施 避妊や去勢をすることで、発情期特有の行動を抑えたり、生殖器や性ホルモンに関わる病気を妨げます。 手術は成熟期前後が理想です。 (生後6か月~1歳くらい) |
|
成犬期 | 1歳~6歳 | ★肥満・泌尿器系の病気に注意! 避妊・去勢後は太りやすくなるので、注意が必要です。 膀胱炎や尿石症も多いため、同様に注意が必要です。 |
★ワクチンと寄生虫予防・駆除 外で過ごす時間が増え、病気のリスクが増えます。 忘れずにケアしましょう。 ★年1回の健康診断 犬は人より早く年を取るため、病気の進行も早いです。 早期発見のために! |
高齢期 | 7歳~16歳 | ・老化が始まる ・老齢による視力の低下 ・運動能力の低下 ・足腰の衰え |
★病気の初期サインを見逃さない 歯周病・関節疾患・白内障など高齢犬に多い病気の初期サインを見逃さないようにしましょう。 ★ワクチンと寄生虫予防・駆除 抵抗力が弱まり、病気に感染しやすくなります。 ワクチン接種と寄生虫の駆除・予防の徹底を。 ★年2回の健康診断 高齢期は年2回のチェックが理想的です。 |
ペットを知ろう
椎間板ヘルニア
軟骨の一部が変形して神経(脊髄)を圧迫することが原因と考えられており、一般的には手術が勧められます。
ですが鍼治療にもたくさんの改善例があり、手術に劣らない改善率が得られています。
一般的な治療では、手術により変形した背骨の一部(椎間板)を切除して、神経の圧迫を解除します。
手術前には画像検査で疑わしい椎間板の位置を把握しておきます。
画像検査も手術も、当然ながら全身麻酔が必要となりますから、麻酔に耐えられない場合は手術はできません。
術後は安静が必要です。
一方で鍼治療は動物への負担は非常に軽微です。
当院では電気鍼を使いますが、ほとんど苦痛に感じることはありません。
むしろ施術中は気持ちよくリラックスしてくれる子が多いです。
痛みが強い場合は、併せて半導体レーザーを使用しているケースもあります。
改善の度合いには差がありますが、たいていは数回の通院で改善が見られます。
治療期間中は運動は控えめにしたほうが良いですが、歩けるようになるとそうもいきません。
無理のない形で様子をみてもらっています。
リンパ腫
リンパ球ががん化してしまう病気です。大きな腫瘍を作らない、血液の癌です。
完全に治すことは難しいですが、延命は可能です。リンパ腫のいくつかのパターンを紹介します。
リンパ腫の種類
多中心型リンパ腫
一番多いタイプです。アゴや腋下のリンパ節等、体中のリンパ節が腫れてきます。
皮膚型リンパ腫
皮膚が赤くなったりただれてきます。ただの皮膚炎だと思っていると、全身に広がり急速に悪化してきます。
縦隔型リンパ腫
胸腔内のリンパ節が腫れてきます。その後、胸水が溜まってきて呼吸が苦しくなります。
消化器型リンパ腫
腸の周辺のリンパ節が腫れてきます。食欲低下、嘔吐や下痢を繰り返して体重が減少してきます。
リンパ節が、大きくなってくると腸閉塞を起こすことがあります。
リンパ腫の一般的な治療法は抗がん剤です。すべてではありませんが、抗がん剤の効果が認められる腫瘍です。
ステロイド剤でもある程度状態を抑えられることもあります。全身に広がってしまうがんなので手術では対応出来ません。
抗がん剤が効くといっても一時的なもので、再発してしまうこともあります。
当院ではホモトキシコロジーやサプリメントを使ってリンパ腫の進行を抑える治療法も提案しています。
抗がん剤は免疫力を低下させますし、副作用が起こる場合があるのでステロイド剤も含めて飼い主様と
良く相談をしてから、使用するようにしています。
乳腺腫瘍
乳癌のことですが、癌ではない良性のものもあります。
犬の場合は、約6割が悪性だと言われています。
悪性か良性かの判断は見た目では難しいですが、急に大きくなってきたら悪性だと思ってください。
詳しくは、手術して切除した上で、取った細胞を病理検査することで、悪性か良性か?
判断することができます。見た目は小さくても、すでにリンパ節や肺等に転移していることもあります。
当院では免疫サプリメントを与えることを薦めています。乳腺腫瘍の進行を遅らせて、QOL(予後の生活の質)を
維持することができます。
ペットのアレルギー(アトピー性皮膚炎)
最近増えている病気に、ペットのアレルギー(アトピー性皮膚炎)があります。
これは、アレルギーになりやすい体質の犬・猫が、環境中の抗原(アレルゲン)を鼻・口・皮膚から吸収することで現れます。
原因については、まだ明らかでないことも多いのですが、遺伝的なものが関係しており、食べ物だけでなく、ホコリ・ダニ・ノミ紫外線などによって皮膚に刺激が起こることで痒みがでてしまいます。
免疫機能の異常や皮膚バリア機能の低下によっておこるため、犬の場合は、年齢を重ねることによって、悪化していく傾向が見られます。
治療法として、痒みを抑えるという点では、ステロイド剤が有効です。
しかし、副作用の問題があるので、なるべくステロイド剤の使用を少なくすること、もしくは使用しない治療法を心掛けています。
そのために薬用シャンプー・サプリメント(必須脂肪酸・乳酸菌)・ホモトキシコロジー・オゾン療法 等を併用しています。
現在は、痒み止めの飲み薬(アポキル)、1か月に1度の注射(サイトポイント)等も使用しています。
残念ながら、アトピー性皮膚炎は、完治させることが難しい病気です。
ただし、うまく管理してあげることで症状も緩和され、楽しい毎日を送ることができます。