犬や猫がかかりやすい4タイプの癌とは?3つの癌治療を詳しく解説

人間と同じように犬や猫にも癌の危険性はあります。最近ではペットの高齢化が進んでおり、癌は愛犬や愛猫と暮らす際に避けて通れない病気です。いつまでも一緒に暮らせるようにするためにも、癌治療について把握しておくのは大切です。

 

この記事では、犬や猫の癌の治療法について詳しく紹介します。癌治療を受ける際に注意しておきたいこともまとめました。

犬や猫の癌とは?

人間と同じように動物も細胞でできています。1つの細胞が2つに細胞分裂をして、新陳代謝を繰り返しているのです。細胞の情報を複製しながら分裂をしますが、まれに正しい情報を伝えられないことがあります。

 

誤った情報を持った細胞は体内のリンパ球によって除去されますが、ケースによっては死なずに残り続ける細胞もあるのです。残った細胞には良性と悪性のタイプがあり、悪性のタイプについては癌と呼ばれています。

 

悪性と良性の主な違いは転移です。良性の癌は転移をしませんが、悪性の癌は他の組織へ転移をして増殖します。転移を繰り返すと体全体に癌が行き渡り、体内への栄養の吸収を阻害していくのです。悪性の癌になると時間の経過と共に進行するため、早めの治療が必要になります。

犬や猫がかかりやすい癌とは?

癌は内臓器官に発生するタイプや皮膚に発生するタイプなどさまざまです。ここでは、犬や猫がかかりやすい代表的な癌をご紹介します。

 

リンパ腫

リンパ腫とは白血球の一種であるリンパ球という細胞による癌のことです。リンパ腫には胃、小腸、大腸などに発生する消化器系リンパ腫、鼻の中に発生する鼻腔内型リンパ腫、リンパ節に発生する多中心型リンパ腫などがあります。

 

動物によって発生しやすいリンパ腫は異なり、犬の場合は多中心型リンパ腫、猫の場合は鼻腔内型リンパ腫が発生しやすいという傾向があるのです。また、リンパ腫は全身に転移する危険性があるため、癌を発見したら早急に適切な処置を施さなければなりません。

 

肥満細胞腫

肥満細胞とは肥満細胞と呼ばれる免疫細胞による癌のことです。肥満細胞は白血球のひとつであり、ヒスタミンなどのアレルギー性物質を放出する機能を持っています。

 

猫の場合は皮膚や内臓、犬の場合は皮膚に発生します。肥満細胞腫は全身に転移しやすく、場合によっては骨髄や肝臓などに転移するケースもあるのです。

 

乳腺腫瘍

乳腺腫瘍は乳腺による癌のことです。犬と猫のどちらにも発生する癌ですが、避妊手術をしておくことで発生率を下げられます。なお、犬の乳腺腫瘍の場合は良性の可能性もありますが、猫の乳腺腫瘍のほとんどは悪性です。悪性の場合には肺へ転移する恐れがあるため、早期の治療が大切です。

 

骨肉腫

骨肉腫とは骨から発生する癌です。大型犬に発生しやすい癌であり、他の器官に転移しやすいという危険性があります。生存率が低いため、骨肉腫の兆候がある場合には早めの治療が重要です。

癌の兆候を把握する

効果的な癌治療を行うためには、兆候を早めに把握しておくのが重要です。早期発見ができれば治療の選択肢が増えますし、進行を遅らせることもできるでしょう。癌の主な兆候は以下の通りです。

 

・食欲が急激に落ちる

・のろのろ歩くなど、歩き方が明らかにおかしい

・体に触れると体を固くする

・背中を丸めた姿勢を続けている

・呼吸が異常に荒い

・トレイをたびたび失敗する

 

犬や猫は体調が悪くなっても「痛い」という言葉を伝えられません。また、自己本能によって症状を隠す傾向があり、悪化するまで大きな変化が見られないという場合もあります。癌を発見するには定期的なコミュニケーションをして、変化を見逃さないようにしましょう。

癌の治療方法

犬や猫の癌にはさまざまな治療法があります。獣医師と相談しながら、適切な治療方法を見つけるのが大切です。ここでは、癌の主な治療方法を3つ紹介します。

 

局所療法

局所療法とは手術による外科治療や放射線治療のことで、癌を完全に消滅させて再生させないようにします。

 

癌の場所が限られている場合には有効ですが、体に強い負担がかかるというデメリットがあります。犬や猫は人間よりもサイズが小さいため、強いストレスによる急激な体調悪化も起こり得るでしょう。また、手術で完全に取り除けなかった場合には、他の器官に転移して悪化する恐れにも注意しなければなりません。

 

化学療法

化学療法とは抗癌剤を使用した治療法のことです。リンパ腫のような血液に関係した癌の場合には、効果を発揮できます。また、小さな癌を消滅させる場合には局所療法よりも有効です。

 

ただし、化学療法が有効とされている癌は少なく、無理に化学療法を取り入れたことで悪化したというケースも見られます。化学療法を取り入れる際には、獣医師との十分な話し合いが必要です。

 

免疫治療

免疫治療とは免疫力を高めて、癌細胞から守るという治療法です。人間や動物の体には免疫と呼ばれる自己防衛システムがあり、ウイルスやバクテリアの侵入を防いでいます。癌細胞などの内部から発生する有害な物質も免疫力をアップさせれば、進行を防げるのです。

 

主な免疫治療として免疫サプリメント「コルディM」の服用、オゾンガスを利用した「オゾン療法」などがあります。

まとめ

犬や猫も人間と同じように癌にかかる危険性があります。悪性の癌は他の器官に転移する恐れがあるため、毎日のコミュニケーションによる早期発見を心掛けましょう。また、癌治療を受けるときには、メリットとリスクを考えながら適切な治療を選ぶのが重要です。

 

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