もしかして病気が原因?食欲があるのに痩せる犬について詳しく解説

もしかして病気が原因?食欲があるのに痩せる犬について詳しく解説

ドッグフードをしっかり食べているのに最近痩せてきた気がするというとき、きっと夏バテだろうと簡単に考えてしまってはいませんか?

実は、これらの症状の裏側には、生理的な原因のほかにも、内臓疾患などの重大な病気が隠れている場合があります。ここでは考えられる原因と、飼い主ができることについて詳しくご紹介します。

 

食欲があるのに痩せる犬!考えられる病気

食欲がある、またはしっかり食事を取っているのに痩せてしまうといった場合は、何らかの病気が隠れている可能性があります。

ここでは食欲を伴う体重の減少が見られる病気について解説します。

糖尿病

食欲があるのに痩せていく、食べても痩せてしまうというのは、典型的な糖尿病の症状の1つです。糖尿病は、インスリンという物質がうまく働かなくなることにより高血糖の状態が続いてしまう病気で、とくにシニア期にかけて多く発症します。

食欲があるのに痩せるといった症状以外にも、多飲多尿が見られることが多くあります。病気が進行すると、合併症を引き起こしてしまうこともありますので、早期発見がとても重要です。

歯周病や口内炎

食欲がある様子なのに食べられないという場合は、歯周病や口内炎を患っている可能性もあります。歯周病は、歯垢に含まれる細菌が原因となり、歯周組織の破壊や骨折が起こってしまう病気で、多くの犬に見られるメジャーな病気でもあります。

進行すると鼻炎や心臓病、腎臓病を引き起こしてしまうこともあるため、日頃からケアをしておくことが大切です。歯磨きや歯磨きガムでお手入れをしたり、定期的に病院に通ったりするなど、日々のケアを怠らないようにしましょう。

寄生虫の感染

しっかり食事を取っているのに痩せていくという場合は、腸内に寄生虫がいる可能性も考えられます。この場合、いくらしっかり食事を取っても、寄生虫に栄養の吸収を阻害されてしまうため、少しずつ体重が低下してしまうのです。

寄生虫の有無は、糞便検査を行うことによって簡単に確認できます。投薬治療により比較的短期間で解決することが多いので、気になる場合はかかりつけの病院で検査してみましょう。

胃腸炎などの消化器疾患

慢性的な腸炎など、消化器に疾患がある場合も、栄養が十分に吸収されずに痩せてしまうことがあります。

嘔吐や下痢などの症状が同時に見られた場合は、とくにこれらの確率が高くなります。なお、慢性経過の場合は嘔吐や下痢の症状がなく、体重が減ってしまうだけということもあるので注意が必要です。

 

病気以外の痩せる原因

犬が痩せる理由は、必ずしも病気によるものだけとは限りません。ここでは病気以外に考えられる原因について説明します。

老化

シニア期を迎えると、運動量の減少に伴い筋肉量が少なくなります。筋肉量が減ってしまうことによって、変わらずにたくさん食べているのにもかかわらず、ゆるやかに体重が落ちてしまうということが起こるのです。

また、年齢とともに消化器官の働きも悪くなる可能性があり、食事の内容によってはうまく消化や吸収ができないということもあります。味や値段だけでなく、愛犬の年齢に合わせたドッグフードを選ぶようにしましょう。

季節の変化

夏になると夏バテによって痩せてしまうことが多くありますが、冬にも体重が減ってしまう可能性があります。

寒い地域で暮らしている犬の場合、体温を維持するために夏場よりもカロリーを必要とします。寒くなると同時に体重の減少が見られた場合は、季節の変化が原因と考えることもできるのです。

 

犬のために飼い主ができること

体重が減ってきたとき、またはそれを防ぐために、飼い主がしてあげられることを3つご紹介します。

日頃から食生活と体重を記録しておく

まずは日頃から食事の量やパターンについて細かく把握しておくことが大切です。与えた量と残した量をしっかり確認し、こまめに記録しておくようにしましょう。

また体重に関しては、少なくとも1~2週間に1回は測定するのがおすすめです。直接体重計の上に座らせるのが難しい場合は、飼い主が犬を抱きかかえて一緒に体重を量り、そこから飼い主の体重を引くようにすると良いでしょう。

食事を工夫する

運動量が増えているときにはタンパク質や炭水化物の量を増やす、年齢に合わせて消化吸収の良いものを選ぶなど、毎日の食事を工夫するようにしましょう。

その犬の種類や年齢に応じて、必要な食事量や摂取カロリー目安があるので、不安なときはかかりつけ医に相談してみるのもおすすめです。

動物病院へ連れて行く

食事を改善しても状況が変わらない場合、または体重減少のほかにも気になる症状が見られる場合には、速やかに動物病院に連れて行くようにしましょう。

どんな病気も早期発見することで、大事に至る前に対応することができます。

 

まとめ

今回は、食欲があるのに痩せてしまうという犬の症状から考えられる原因について紹介しました。犬は、人間と違い言葉で話すことができませんから、食事の様子や体重の変化に飼い主がしっかりと目を配り、病気の早期発見につとめることがとても重要です。

さいたま市大宮区の「アイ動物病院」は、自然療法を推奨している動物病院です。西洋獣医学と自然療法を組み合わせ、免疫力を高める治療を行っています。各種血液検査やレントゲン検査、超音波検査なども対応可能のため、体重減少が心配の方も、お気軽にご相談ください。