病気の前兆?猫がたくさん水を飲むときに確認したいポイントについて解説

病気の前兆?猫がたくさん水を飲むときに確認したいポイントについて解説

猫は普段あまり水を飲まない動物です。その猫が水をたくさん飲む場合、その陰には病気が隠されている可能性があります。

今回は猫の1日の飲水量と飲水量の調べ方、猫が水をたくさん飲むことに隠されているかもしれない病気について解説していきます。

病気以外で水をたくさん飲む原因のことも解説していきますので、気になる方はぜひ参考にしてください。

 

猫の一般的な飲水量

猫が1日に必要とする水分量は体重1kgあたり50mlほどです。犬の場合は1kgあたり100mlほどなので、猫は犬の半分しか水を飲まないということになります。

猫の祖先は中東の砂漠地帯にいるリビアヤマネコです。水の乏しい砂漠で暮らしていた名残で、猫は少ない水でも濃い尿を作り、老廃物を排出する動物です。そんな猫が水をたくさん飲むようになった場合、何らかの病気にかかっている可能性があります。

 

猫の飲水量の調べ方

猫の健康チェックのためにも、猫の1日の飲水量を一ヶ月に一度くらいを目安にチェックしておくことをおすすめします。計り方は計量カップで200mlくらい水を計り、猫の水用の器に入れます。その器の隣に、同じ量の水を入れた器を置き、目の粗いザルなどを被せて猫が飲めないようにしましょう。

そして1日経ったらザルを被せた水を計り、蒸発した水の量を調べます。そして猫が飲んだ方の器の水を計り、減った量を調べて蒸発した分を引けば、猫の1日の飲水量を知ることができます。時間が経った水を猫が避ける場合は、半日ごとに計っても良いでしょう。

 

隠されているかもしれない病気

猫が水をたくさん飲むことに隠されているかもしれない病気には、以下のようなものがあります。

慢性腎不全

猫が慢性腎不全にかかっていると、初期症状として水をよく飲むようになります。慢性腎不全とは、腎臓の機能がいろいろな原因で慢性的に低下している状態のことで、とくに高齢の猫に多く見られる症状です。15歳を超えた猫の30%がかかるといわれており、そのまま放置すると重症化してしまうことも少なくありません。

腎臓を構成している「ネフロン」という機能単位は、加齢によって壊れていきます。一度壊れたネフロンは二度と元には戻らず、全ネフロンの70%が壊れると腎機能不全の症状が現れると考えられています。すると低下した腎機能を補うため、水をたくさん飲んで尿をたくさん出すようになるのです。

糖尿病

猫は糖尿病にかかることでも水をよく飲むようになります。猫の糖尿病は肥満や加齢、膵炎やステロイドの長期間投与、ストレスなどさまざまな理由で引き起こされます。

初期症状として現れるのが、飲水量が増え、尿の量が増えることです。また、エネルギー源となる血糖の値が常に低いため、食欲が増していきます。しかし、体のエネルギーは変わらず低下しているため、体重が減少するという症状も見られます。

甲状腺機能亢進症

甲状腺は新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンを分泌する器官で、のどぼとけの部分にあります。その甲状腺から過剰に甲状腺ホルモンが分泌される病気が甲状腺機能亢進症です。

猫が甲状腺機能亢進症になると、攻撃的になったり毛艶が悪くなったりするほか、糖尿病のときのように、食欲は増加するものの痩せていくという症状も見られます。7歳から10歳以上の猫の10%は、この病気であるともいわれています。

子宮蓄膿症

子宮蓄膿症とは、子宮が細菌感染して炎症を起こし、子宮の中で膿が溜まる病気です。

猫が子宮蓄膿症になると、食欲が落ちて下痢になったり嘔吐したりするなどの症状のほか、陰部から膿が出るなどの症状も見られます。

その他

肝臓や膵臓などに炎症がある場合や、体のどこかに腫瘍ができてしまった場合でも水をよく飲むようになります。

猫が水をよく飲むようになることには、さまざまな病気の可能性があることを忘れないようにしてください。

 

猫が病気以外で水をたくさん飲む原因

猫が病気でないにもかかわらず、水をたくさん飲む原因には以下のようなものがあります。

  • 食事がいつもと違ったとき
  • 食事の塩分量が多かった場合
  • 刺激の強いものを食べたとき
  • 普段よりも暑い環境にいたとき

ほかにも、自律神経が乱れることによって水をたくさん飲むこともあります。

病気というほどではありませんが、この場合はなぜストレスを感じているのかを探ってみるようにしましょう。

 

まとめ

今回は猫の1日の飲水量と飲水量の調べ方、猫が水をたくさん飲むことに隠されているかもしれない病気、病気以外で水をたくさん飲む原因について解説しました。猫が水をたくさん飲むことには、さまざまな病気の可能性が隠されています。早期治療のためにも、普段から様子を確認し、異変がある場合にはできるだけ早く対処しましょう。

とくに高齢の猫には注意が必要です。獣医師に猫を診せる場合は、体重の変化や食欲の変化、排泄物について伝えるようにすると良いでしょう。

「アイ動物病院」では大切なペットの体にかかる負担を最小限にするため、一般治療だけでなく自然治療(ホリスティック治療)も採用しております。ペットの年齢や病気の種類によって最適な治療法を提案し、飼い主様と相談しながら治療を進めてまいりますので、お困りの際はお気軽にご相談ください。